炎光






砂浜に行き原稿を燃やした。
紙はゆっくりと燃え始めやがて、
強い炎になった。

私の書いた原稿は恨みつらみの込められた、
とても醜い物。
燃やすとそれは綺麗なひかりを放ち
空へ上っていった。

私の思いも、私の憎しみもすべて、
燃えるときには美しく光るだろうか?
私の身体は、燃えるときひかり輝くだろうか?
灰と火の欠片が舞い上がるさまを見て、そんな事を思った。

すべてのひとの、すべての汚い感情も、燃やしてしまえば綺麗な灰となって静かに地面を飾るだろうか?

ああ、ああ、燃やしてしまえば良い。
火になって光だけになれば良い。
そうしたらやがてそれは浄化されて白い灰になるだろう。

私の内の汚いものを燃やしてしまおう。
そうすれば、真白い灰になってどこか遠くに風が連れていってくれるだろう。

口汚い言葉、醜い争い、感情。
みんなみんな空へ運んで貰おう。
そうすれば地は安らかに満ちるのに、

いつかいつか、私も平穏な気持ちで毎日を送れるよう、醜いもの持たずに済むように、祈ろう。

いつの日か、そんなときが来ることを願って生きよう。
今日を明日をその先を。
注意深く歩を進めながら得よう。
そのすばらしい日々を、
いつか遠くない未来に。




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